先代、みやこ^^ [お話]
ミュートの赤ちゃん写真をご覧頂くにおいて・・
私には、「みやこ」という名の真っ黒い猫が居た事、愛して失ったことを
避けては通れません。
前記事の、赤ちゃんミュートの後ろで、写真立てに入っているのが
「みやこ」です。
うちの門から、おずおずとカメラを構えている私の方へ歩みを
進めようとしているところです。
みやこは、10歳で他界しました。(私が殺したんです)
だからミュートが今年9歳を迎えようとしているのが、余計に恐いのかも
しれません。
友達とナンバへ遊びに行った日、宗右衛門町のクラブやスナックが立ち並ぶ
あたりのゴミ箱置き場で、みやこは紙袋に入れて捨てられてました。
なんだかピーピーと泣き声がするので、中を覗き込んでみたら真っ黒い
おにぎりよりも小さいネズミみたいな生き物が動いているように見えました。
友達がハンカチでつかんで紙袋からだしてみると、生まれて間もないで
あろう子猫でした。
猫らしくない声で鳴いてはいるけど、両目とも目ヤニのような膿が出ていて
目のまわりがびちゃびちゃで・・どう見ても病気か長く生きられそうになくって・・
今思うと、免疫が充分についていないのに母猫から引き離されてしまった為
粘膜などの弱いところから悪くなっていたんだと思われます。
犬しか飼った事の無い私が、ずっと猫なんて嫌いだと思っていた私が
タオル生地のハンカチにそっとくるんで、両手で首のあたりに抱っこして
連れて帰った子です。
それまで我が家では、父の犬好きの影響で犬しか飼った事がありませんでした。
犬も愛しましたが、それは家族や兄弟って感じでの愛情だったのだと思います。
でも、みやこを拾った私は、この時から親になった気がします。
授乳や病院通いも、もうー見苦しいくらい骨のズイまで親気取りでした・・。
なのに、みやこが10歳の頃、両親が夫婦喧嘩の末に母がしばらく家を出ると
言い出したとき、私は窮屈な家を出るチャンスとばかりに「私も出る~」と、
安易に母について家を出ました。
みやこを残して・・
玄関で見送ってくれる、玄関マットにきちんとおすわりしているみやこの顔が
今でも目に焼きついてしまっています。
それは夏の暑い時期でした・・
父は、私がみやこも当然連れて行っているものと思ったらしく
家中を締め切ってクーラーをかけていたらしいんです。
十日程して帰宅した私は、その事を父から聞いて・・腰が抜けるほどに慌てました。
ご飯も水もなく、落ち着いて眠る場所もなく、若く健康な猫でも体力を奪う猛暑に
テリトリーもなく、自分の家の庭でさえ逃げ隠れしなければならないみやこが・・
毎晩、毎朝、あたしがいつ帰ってくるかと待っていたはずです・・
あたしの車のサイドブレーキを引く音を聞いては、二階から階段を下りてきていた
みやこが、私の帰宅に気付かないなんて・・よほど弱っているか遠くに隠れているのだと
思いました。
そして、朝昼晩と、玄関からも自室のベランダからも近くの児童公園でも
力の限りに叫びました、ご近所の目なんてどうでも良かった
「みやこ~~~~、あたし帰ってきたよー!おうちに戻っておいで~~~~」と
何度も何度も、一日に何度も・・
そうして3~4日が経った朝、玄関ドアを開けたポーチ?って言うんですか
門から入ってきて一段上がったところにネズミの死骸がコロンと置いて
ありました。
ネズミちゃんの贈り物を見て、私は、みやこがもう戻らないと察しました。
よく私達の部屋のベランダで、滅多に鳴かないみやこが「あーあー」と
言っているので「おかえり~」とサッシを開けてやると、すずめやネズミを
半殺しにしてくわえて帰ってきてました。
猫の飼い方も生態も知らない、勉強もしていなかった私は、よくそんなみやこを
「ちゃんとご飯あるのに、遊びでこんなかわいそうな事したらあかんでしょ!」と
叱っておりました。
でも、みやこは褒めて欲しくって獲物をくわえて帰ってきたのに・・
あたしは自分が無知な事さえ知らずに、よく叱ってました。
飼い始めて、ほんとに8~9年くらいまで、これがあたしへの贈り物だと
知らないでお尻を叩いてまで叱っていました。
みやこの口から外されたスズメが部屋中を必死でバタバタと飛びまわって
大騒ぎをした事も、その度に叱っても叱っても、みやこは大人しい性格でしたが
よく獲物をくわえて帰ってきては目を輝かせて「あーあー」と
「今日はこんなん獲ってきてんで~、ママ~♪」とでも言ってくれてたのでしょう・・
みやこは、自分の死が迫っている事を察し、自分の死に姿は見せられないから
あたしへ、最期の贈り物を残された力を振り絞って獲り、部屋には戻らずに玄関に
そっと置いていたのだと分かりました。
ネズミちゃんは、愛しい者の寝顔のように目をつむってました。
こんなしんみりした自分の過去をお話しするなんて・・とも思いましたが
プログを始めて間もないですが、いいとこばっかりを見てもらう為に
あるのではないのだと・・自然体で強く素敵な方々とお話させてもらう
うちに、心にそっと入ってくるようにして教えられました。
インターネットから電波に乗って天国へ伝わるものと信じて・・
みやこ~~~!!ねずみちゃんありがとうーね~~
ちゃんともろたからね~~!親として不甲斐なかったあたしを許してくれんでも
いいから、天国の入り口ではちゃんとお座りして待っててね~~!!